あなたは大丈夫?乳がんのリスクを高める悪習慣
日本では女性の12人に1人が乳がんを発症しています。最近では小林麻央さんがブログで日々、自身の闘病生活を公開しています。その内容に世間も注目を集めています。日頃の生活から乳がんを予防する方法はあるのでしょうか?今回は乳がんのリスクを高めるであろう生活習慣について紹介をしていきたいと思います。
年齢が若い人も気をつけたい「乳がん」
女性がかかる「がん」の中で、がん死亡全体の約9%を占める乳がん。他のがんの特性と違い、30歳代から増加をはじめ、40歳代後半から50歳代前半でピークを迎え、その後は減少していくという若い層に多いがんです。
そして、家族内で乳がんにかかった人がいた場合や初潮が11 歳よりも早くきた場合、閉経が55歳を過ぎてからの場合、30歳以上で出産した、または未出産の方の場合は乳がんリスクが高まります。
年齢が若い時は病気と縁がないとつい過信しがちですが、乳がんはこのように若いうちから発症する可能性がある病気なのです。
女性の社会的進出にまつわる要因が影響している?
近年では女性の社会進出も乳がんを発症させていると要因だとも言われています。それは、「30歳以上で出産した、または未出産の場合」は乳がんリスクが高まるということからです。女性の活躍の場が増えることで、晩婚化が進み、第一子出産の母親の平均年齢は平成7年のときには27.5歳でしたが、平成 26 年は30.6 歳と約20年の間で3歳も上昇しているのです。このことが、乳がんリスクに影響していると言われています。
また、家庭での食事が少なくなり外食が多くなり、高カロリー・高塩分の食事だったり、仕事の会合や宴会などで喫煙場所に遭遇する機会が多かったり、社会でのストレスにさらされたり、デスクワークの仕事も多くなり運動不足になったりとこのようなことも乳がんリスクの要因となってしまいます。
しかし、乳がんの要因が女性の社会進出だけとは言い切れません。仕事をしていても、いくらでもがんリスクは減らすことができますし、社会進出していなくてもがんリスクはあるからです。確かに高齢出産では、女性の体に思った以上の負担をかけ、がんリスクを高める可能性があります。しかし、高齢出産になっているのは、経済的な問題が不安定だったり、社会的問題があったりと様々な要因があります。
がんリスクを高める生活環境
乳がんは全ての女性に起こりうる病気です。それが遺伝だったり、老化だったり、生活習慣によるだったりと考えられることはたくさんあります。
では、生活習慣を見直すことで乳がんのリスクから回避することはできるのでしょうか?
喫煙
喫煙により乳がんリスクが増加する可能性があります。タバコの煙には数多くの発がん性物質が含まれているので、タバコの煙が触れる口腔や咽頭、喉頭もがんが発生しやすくなりますし、臓器でも胃や肝臓、膵臓、膀胱、子宮頸がんのリスクも高めます。
オフィスでずっとパソコンに向かって仕事をしていたり、家でずっと家事をしていたりすると、ストレスがたまって、タバコを吸いたくなってしまうという人もいるでしょう。そんなときはすぐにタバコに手を伸ばさず、軽いストレッチや深呼吸などのリフレッシュを定期的に行うのはいかがですか。
飲酒
飲む量が増えるほど乳がん発病リスクが高まるのは確実です。乳がんだけでなく、口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸がんの原因ともなります。
女性は男性よりも肝機能が弱く、1日10g未満のアルコール量(5%ビールなら250ml、14%のワイン90ml、15度の日本酒90ml)が適量とされています。休肝日を作る、飲む量を考えることががん予防につながります。
高脂質の食事
脂質の過剰摂取は乳がんの危険因子となります。脂質は体の中で、エストロゲンなどの女性ホルモンを作る働きをしていますが、過剰な女性ホルモンが乳がんリスクを高める要因になりうるのです。また、脂質が多いものは塩分が高いものも多くあり、さらにがんリスクを高めてしまいます。
脂質の多い揚げ物やファストフード、外食はなるべく控え、サラダバーのあるレストランに行ったり、お弁当を持参したりしてみてはいかがですか。朝食や昼食は食べたいものを食べ、体に脂肪を蓄積しやすい夕食は500kcal以下のローフードにするなど、食事にメリハリをつけるのもいいでしょう。
運動不足
運動による乳がん予防効果はおおよそ確実とされています。体脂肪が減れば、エストロゲン量も適度に保たれ、乳がんリスクを下げることにつながります。
1日1時間、または1週間3~5時間のウォーキングをすることで、乳がん予防のリスクを下げることができたという研究もあります。他にも、運動によって子宮体部、前立腺、肺がんのリスクを下げることになります。
まずは、1日8,000歩を目指し、少しでも多く体を動かすように意識したてみましょう。
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記事監修:薬剤師白石厚子
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