子供の成長にはたくさんの違い 家庭の方針にも違いが

幼稚園・保育園の巡回相談をしていると、同じ年長さんでも月例の違いもありますが、本当に発達や成長段階で大きな違いが見られます。
そのばらばらの集団を小学校1年生の担任の先生はひとまとめにするのですから、大変なご苦労があるだろうなと思ってしまいます。

それ以上に違うのは各家庭の子育て方針の違い。
誰でも小学校に入ったらピカピカのウキウキ1年生になると思っていませんか。
そういう子も多いですが、意外とそうでない子もいるんです。たとえば…

 ・小学校生活に不安を感じた親が過度に勉強をやらせている家庭
 ・小学校に入れば自然に勉強して身についていくだろうと何もしていない家庭

といった極端なお子さん、ご家庭もあるのです。

同じ「一年生」でもそこには様々な個性、成長の差

勉強をしていた家庭のお子さんの場合、年長時点で勉強の疲れが見えたり、入学への不安が強まったり、入学後も「上手にひらがなが書けない!」といっては宿題が進まないといったことがあります。
特に何もしていなかった家庭の場合、入学後にまさか授業が勉強ばかりとは思っていないので、授業がつまらない、勉強が嫌いといった問題行動が出てきてしまうこともあります。

それらだけではありませんが、「小1プロブレム」といわれることは以前から見られたのです。
小学校のスクールカウンセラーをしていると、「とにかく授業観察をしてください!」と真っ先に先生方に言われるのが当然1年生の教室。

座っていられない子、話を聞いてないでボーっとしている子、机周りが散乱している子、おしゃべりばかりしている子、手遊びや文房具いじりばかりしている子、困って泣いている子、何をしていいかわからず周りをきょろきょろしている子…。

いろいろなお子さんやいろいろなご家庭が集まっていることが大事であることは分かっていますが、私個人としては、あまりにも経験値に差があるこの時期については、ある程度の入学前の指導保育方針を統一したほうがいいと感じています。

小学校入学後スムーズに過ごすために 

保育園、幼稚園、どのような特徴の園でも、これだけは、という共通したものがあったほうがスムーズに入学後の生活を過ごせるでしょう。
たとえば…

・コミュニケーション:人の話を聞く姿勢や態度を学ぶ。自分の思いや考えを人に伝える力。気持ちの良いやりとりをする力を身に着ける。
・身辺自立:生活に必要な着替え、整理整頓、排せつ、食事などのスキルを身に着ける
・運動面:全身運動、手先の運動の経験。制作や描画などのスキル。
・学習面:遊びや具体物を通じた数や言葉、字への興味。字が読める力。
・集団経験:集団のペースに合わせ一緒に協力して行動する力。

といったものです。
そして、入学前は「評価」が唯一ない時代。
思いっきり遊び、経験し、五感に触れる体験をし、好奇心と「知りたい」というわくわく感を育ててほしいと思っています。

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臨床心理士 須々木真紀子

臨床心理士をしています。
主婦であり、母であり、お仕事の時には「先生」に。

普段、様々な相談を受けますが、ここでは特に子育てに関してお話していきたいと思います。
お悩みやお困り事、解消のきっかけにでもなれたら嬉しいです。
よろしくお願いします(^^)

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