思春期の入り口 中でも「娘と母親」の関係は難関

今回は小学校高学年、思春期入り口からのお話です。10歳を超えると、グンと大人っぽくなってきます。個人差も大きくなってきて、まだまだ子供っぽい小学生男子もいれば、まるで中学生のような大人びた女子もいます。

スクールカウンセラーで受ける相談でも、ママ友同士での話題でも、決まって問題なのは「娘と母親」の相談。
女子は男子より精神年齢が高いせいか、同性である母親を乗り越えようとして批判的に見てきます。それをぶつけられる母親たちだって大変!ただでさえ更年期も近づき気持ちの余裕がないときに容赦ないエネルギーでぶつけられるのですから。

一方、最近時々見受けられるのが、そういったエネルギーを母親や父親、教師という大人に対してではなく、自分自身に向けてしまう子たち。自傷行為や摂食障害を抱えていることがあります。上手に気持ちを解放するまではとても時間がかかります。

子供達はイライラ!親は距離を取りつつ常に目をかけ続けるよう心がけ

思春期は何もなくてもイライラしてむかむかしている時期。理由なくカリカリして、物事に過敏で敏感になって、周囲のことを異常に気にしている一方で、世界は自分たち中心に回っているという志向が強くて…。
膨大なエネルギーに翻弄されて自分が自分でないような…、そんな時期です。スクールカウンセラーをしていても、子供たちから「ストレスたまった」「疲れて動けない」「イライラしてたまらない」といった訴えが多いこと!

そんな時期の子供たちなので、集団でいるといじめやからかい、ちょっかいといった友達トラブルもとても多い時期。自分の存在が不安だから、誰かを傷つけてでも優位に立ったり自尊心を保たないといられないのかもしれません。
だからとても心配だとしても、10歳までのようにぴったりそばについていたり、子供の代わりに動いたり、代弁したりというのは、もう親としては卒業かもしれません。

よく言われるようにそろそろ「手を離し、距離をとって、でも常に目をかけ続ける」ことが必要になってきます。不平不満、愚痴なんかはベラベラ言っていても、本当に必要なこと、大事なことはあまり言ってこなくなります。
子供から言ってきたことは大切に丁寧に受け止めてほしいです。自己表現が控えめになる分、他人を必要としているときにはさりげなく小出しにしたり、ひねくれて関わってきたり、悪いことをして注目を集めようとしたりすることがあります。

子供に振り回されず、落ち着いて子供の思いを確認しよう

そういったサインをいつでもキャッチできるように、この時期は大人の側で大事なことがあります。手を離し、少し距離をとって見守りつつ、常に目は離さないことです。
すると、気持ちの微妙な変化や訴えてきた時のわずかなしぐさや視線や表情がつかみやすくなるからです。

また大人の側が動揺して右往左往するのも、かえって子供に不安を与えます。良かれと思っていろいろ動いてしまうと心を閉ざすことがあります。
どうしてほしいか、何はしてほしくないのか、子供たちの思いを確認するといいでしょう。

とてもデリケートなこの時期、対応する大人も一人で抱えずに色々なサポーターと一緒に乗り越えられるといいですね。

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臨床心理士 須々木真紀子

臨床心理士をしています。
主婦であり、母であり、お仕事の時には「先生」に。

普段、様々な相談を受けますが、ここでは特に子育てに関してお話していきたいと思います。
お悩みやお困り事、解消のきっかけにでもなれたら嬉しいです。
よろしくお願いします(^^)

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