PTAへの加入を強制…これって法的にはどうなるの?
最近、ニュースで取り上げられることも多くなり、比較的、「任意」の事実が浸透してきたように感じる、PTA。
しかしそれは都市部での話で、私の住んでいる田舎では全然そんなことはないようです。。
そこで今回は、PTA加入について、法的な観点から検証しているサイトをご紹介します。
PTAへの加入…しないなんてありえない?
以前にも「町内会・自治会、育成会・子供会、PTA…。全部加入は『任意』ってご存知ですか?」というコラムで取り上げた、PTA。
出典:町内会・自治会、育成会・子供会、PTA…。全部加入は『任意』ってご存知ですか? | わたしらしく。頑張るママと家族の子育て応援サイト│マイマム
子供が年中さんになり、いよいよ小学校入学が近づいてきた我が家。
そんなとき、同じ学区のお母さんから衝撃の一言が。
「○○小学校(うちの学区の学校)のPTAはかなり活発だから、入らないとかありえないよ」
え、そんなのってほんとにありなの?
ということでネットを探してみたら法的な観点からPTA加入について記載しているサイトを見つけましたので、ご紹介してみたいと思います。
(ちなみにそのサイトがこちら。「LEGAL MOLLE」という、「ベリーベスト法律事務所がお届けする「使える!役立つ!」法律情報サイト」だそうです。)
出典:PTAの違法性を検証──加入義務、活動参加、役員強制…弁護士がその不条理を明らかに
1、そもそもPTAへの加入は強制できない
一部のPTAでは、保護者に対して任意加入であることを十分に説明せずに、入会を強制するような運用がなされることもあるようです。しかし、PTAは一般的な他の団体と同じく任意加入団体であり、保護者には「入会の自由」があります。
この点については、保護者がPTA会費の返還を求めた裁判例でも、PTAが“任意加入団体であること”自体は争われていないことからもわかります(熊本地方裁判所判決平成28年2月25日)。したがって、PTAへの加入を強制するような運用は法的に問題があります。
はい、これは以前にも少しご紹介していますが、そもそも、PTAへの加入は『任意』であるものです。
にもかかわらず、(私の近くのお母さんもそうですが)PTAには入って当然、入らないという選択肢はない、と認識されている方がまだまだ多くいらっしゃるのが現状です。
そういう人にとって、PTAに加入しない、というのは、存在しない選択肢であり、そんなことを考える人は親として失格、くらいの感覚を持っている方もいらっしゃいます。
2、強制加入だと思っていた場合の加入は無効
ここからやや、法的な視点が入ってきます。
保護者が十分な説明を受けずにPTAに入会してしまったとしても、「加入義務がないのにもかかわらず、加入義務があると錯誤(勘違い)していた場合」には、どうなるのでしょうか。
この場合、加入者の錯誤(勘違い)において重大な過失がないかぎり加入は無効となり、元からPTAに加入していなかったことになります。仮に、PTAが加入していない人から会費を受け取った場合には、それは法律上の原因なく不当に利益を得たことになり、PTAは会費を返還する義務があります。
不当利得の返還を請求する権利の消滅時効は10年です。お子さんがすでに小学校を卒業されていても、支払った後の10年のあいだは、PTAに対し会費の返還を求められる可能性があります。
1であげたように、そもそも任意であるにもかかわらず、それを知らずに、加入しなければならないと勘違いしていた場合でも、加入を無効にし、PTA会費も返還してもらえる可能性もあるそうです。
3、加入しないことはできないと騙した場合はPTAへの刑罰も
「加入義務がないにもかかわらず義務があるかのように騙しPTA会費を交付させた場合」は、詐欺罪(刑法246条)に該当する可能性があります。相手が騙したことを証明できる証拠(録音テープや書類等)を持って警察に告訴をおこなうと、警察が事件の捜査をすることになります。
このとき、弁護士に告訴状の提出を依頼することで、弁護士が事前に必要な証拠の収集をおこなったり、意見書を付したりすることができるため、一般の方が告訴するよりも警察に受理される可能性は高くなると考えられます。
なんと、加入を強要し、あたかもそれ以外の選択肢がないように思わせた場合(騙した場合)は、刑事的な刑罰の対象となる場合もあるそうです。
このあたり、現在PTAを運営されている方には、よく読んでおいてほしいものですね(笑)
4、安易に会費を払うべからず
「PTA活動はしたくないが会費を支払うのはかまわないと考えて会費を支払った場合」は、入会の意思があったと裁判所に認定されてしまうおそれがあります。実際に前述の裁判例では、保護者が「会費」と記載された封筒にお金を入れて納付した事実や、退会届を提出した事実(入会がなければ退会もしないという理屈で)が重視され、加入の意思があったと判断されました。
そのため、PTAに加入したくない場合は、会費も支払わないほうがよいでしょう。どうしてもお金だけは支払いたいという場合には、加入の意思はなく寄付であることを明示し、加入の意思がないことが客観的にわかる形で支払うのもひとつの方法かと思います。
もし、PTAに加入したくない、と思っているのであれば、とりあえず会費だけ、というような安易な気持ちでPTA会費を支払うのはやめておいたほうがいいようですね。
支払う場合でも、あくまでも「寄付」であって加入の意思がないことを示したほうが良いそうです。
5、退会を阻止することも、名簿を学校と共有することも違法
入会の自由と同様に退会の自由もありますから、「退会の自由がないかのように騙して退会を阻止した場合」も、同様に違法性があります。また、PTAには入退会の自由に関する問題点のほかに、個人情報の取り扱いに関する問題点もあります。
公立学校は生徒の教育等の観点から、通常、生徒や保護者の個人情報を持っていますが、別団体であるPTAはそもそも生徒や保護者の個人情報を持っていないはずです。それにも関わらず、公立学校が生徒や保護者の同意を得ず、かつ正当な理由もなく、生徒や保護者の個人情報をPTAに共有することは個人情報保護「条例」違反や個人情報保護「法」違反になりえます。
もっとも、これまでは個人情報の提供を受けたPTAを罰することはできませんでした。PTAは前述の個人情報保護「条例」も、個人情報保護「法」についても、適用対象とならなかったためです。これまでの個人情報保護法は、保有する名簿の件数が5000件以上の団体を対象としていました。
しかし、国内の小学校、中学校および高校で5000人以上の生徒をもつ学校はないと思われることから、個人情報保護法の適用を受けるPTAは存在しませんでした(ただし、卒業した生徒の個人情報を保有し続けた場合は5000件以上になり適用を受ける可能性がありました)。
しかし、2017年5月30日からは改正個人情報保護法が施行され、5000件の制限が撤廃されました。その結果、すべてのPTAが個人情報保護法の適用を受けることになります。そのため、PTAが学校から生徒や保護者の同意を得ず、かつ正当な理由もなく名簿の提供を受ける行為は、違法な行為になります。
したがって、今後はPTAが会員名簿を作る際には個人情報の取り扱いについて、基本的に本人の同意を得る必要があります。これまでのように、PTAが正当な理由なく、生徒や保護者に無断で学校から提供された名簿の情報を用いてPTAの名簿を作成した場合には、違法な行為となる可能性があります。
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働くお母さん。
時に謎の神経質、それ以外は適当かつ豪快。
好奇心旺盛な楽観主義者。
お母さん歴はまだまだの新米かあさん。
息子と娘の育児に日々、奮闘中。
まだまだ「タネ」だけど、いつか、「お母さん」の花を咲かせたい☆
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
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