意外にも多い遺産相続のトラブル いざという時のために出来ることは...。
遺産相続のトラブルというとドラマなどでよくある資産家が亡くなり、その遺族で遺産の取り分についてもめているようなイメージがありますが、遺産相続のトラブルはそんなドロドロした人間関係の事だけではないのです。意外と知らない遺産相続についてアンケート調査をしました。「えっ!そんなトラブルもあるの?」という事がわかりますよ。
遺産相続実態調査委員会は遺産相続に関する調査を実施しました。
調査結果のトピックスは、以下の通りです。
・“遺言”で、いま伝えたいメッセージは、妻や夫への感謝の言葉「ありがとう」
・通帳や印鑑の場所を知らなかった人が、5割超。じつは身近なところにある相続トラブル。
・相続トラブルの後悔、第一位は、もっと家族と話しておくべきだった。
・遺言・相続の経験者が選んだ、相談先の第1位は、銀行。
・相続トラブルを経験した人の4割が、相続財産1000万円以下のケース。
【調査方法】インターネット調査
【調査期間】2016年10月31日~11月2日
【調査対象】全国の40歳~69歳までの遺産相続経験のある男女500名
【調査協力会社】株式会社ネオ・マーケティング
“遺言”で、いま伝えたいメッセージは、妻や夫への感謝の言葉「ありがとう」
大きな資産があるわけじゃないから自分には関係ない。家族の仲がいいので必要ない。相続トラブルを抱えた人たちの多くが、自分だけは大丈夫と思っていたようです。じつは遺言状には、こうした相続トラブルを未然に防ぐ役割があるのと同時に、もうひとつ、大切な家族へのメッセージを伝えるという機能もあります。今回、40代〜60代を対象に遺言相続に関する調査を実施したところ、今いちばん、想いを伝えたい相手は「妻」「夫」、伝えたい言葉の第一位は、感謝の言葉、ありがとうでした。「2万通の遺言書と向き合った!現役実務担当者が教える円満相続への道」の著者でもあり、現役銀行員でもある、りそな銀行の折原和仁さんによると「公正証書遺言でも、付言で、遺言者の真意を伝えたり、家族との思い出や感謝の言葉を自由に述べることができます。我々、プロでも思わずもらい泣きしてしてしまうメッセージに出会うことも少なくありません。実際、こうした想いを家族に残すことで、相続人同士が、お父さんの言う通りにしよう、と一致団結して、トラブルを未然に防ぐ役割を果たすこともあります。逆に生前に遺言を準備される方から、遺言を考えることによって、いまの家族とのコミュニケーションが円滑になったという話もお聞きしますね。」今回の調査でも、相続トラブルの後悔、第一位は、”もっと家族と話しておくべきだった。”でした。日頃から家族に想いを伝えることが大切ですね。
◆通帳や印鑑の場所を知らなかった人が、5割超。じつは身近なところにある相続トラブル。
遺言相続と聞くと、遺産を誰にどれだけ配分するかを争うようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、じつは、相続トラブルで家族間の争いよりも先に来るのが、通帳の場所がわからない、印鑑がみつからない、そもそも、お金、土地、借金がいくらあるのかわからないという問題。実際、相続を経験した方の5割以上が、印鑑や通帳の場所さえ、把握していなかったと言います。
相続トラブルを経験した約3割の人が「預金がすぐに払い戻せなかった」と答えています。
相続財産が1000万円以下でも、相続トラブルは起きる。
今回の調査でも、相続財産が1000万円以下のケースでも、トラブルになったという回答が見られました。また家庭裁判所のデータによると、相続に関する家庭裁判所の取り扱い案件の約4分の3は、5000万円以下の案件とのことです。莫大な資産をめぐる骨肉の争いという、よくありがちな映画のような世界よりも、実際には、財産の多い少ないに関わらず、誰にでも相続トラブルは起こりうるということですね。今回の調査でも、相続トラブルを経験した人の3割の人が、相続問題は自分には起こらないと思っていたと回答しています。
遺言・相続の経験者が選んだ、相談先の第1位は、銀行。
では、こうした相続トラブルを未然に防ぐには、どうしたら良いのでしょうか。実際、遺言・相続の経験者が相談先に選んだのは専門家は、銀行、弁護士、税理士、司法書士。中でも、いちばん多かったのが銀行でした。前述の折原さんに銀行のサポート体制について聞いてみました。「じつは、りそな銀行は、信託銀行の機能も持っており、他の信託銀行と同様に遺言信託業務をおこなっています。遺言信託では、相続コンサルなどの相談から公正証書遺言作成のお手伝い、さらには相続開始後の遺言執行までをパッケージとして取り扱っています。訴訟など法的リスクを伴う場合は、弁護士さんをご紹介するケースもあります。まずは気軽に、銀行に相談してみることをオススメです。」
出典:相続・承継│将来や万一に備えたい│りそな銀行
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記事監修:薬剤師白石厚子
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