薬物療法ではホルモンの分泌をコントロールするため、同時進行で妊娠を希望するのは難しくなります。そこで、早く妊娠したい場合には「腹腔鏡下手術」でのう腫部位だけの摘出や癒着部位の剥離、病巣を焼き切るなどの処置が検討されます。
しかし、今後の妊娠・出産を望んでいてものう腫が大きすぎる場合には、チョコレートのう腫を発症した卵巣自体を切除することもあります。片方の卵巣が残っていれば自然妊娠することは可能ですが、妊娠の確率は低くなる可能性があります。

チョコレートのう腫は癌になる?

チョコレートのう腫は良性腫瘍である場合がほとんどですが、そのうちの0.7〜1%は悪性腫瘍、つまり癌化することがあります。また、40歳以上で発症したケースやのう腫の直径が10cm以上のケースでは卵巣癌を合併しやすいといわれているため、該当する場合には早めの対処が必要です。

癌化した場合には転移を防ぐために卵巣そのものを摘出しなければなりません。今後の妊娠・出産を希望する人は医師によく相談した上で治療方法を検討しましょう。

早期発見が大切

子宮内膜症を発症する女性は増えており、チョコレートのう腫と診断される可能性は誰にでもあります。放置しておくと不妊の原因になるだけではなく、癌化して命にかかわることもある病気です。そのため、毎月の生理痛で今までにない痛みを感じたり、生理痛の症状が重くなっていると感じるようであれば、我慢をせずにまずは婦人科を受診することがチョコレートのう腫の早期発見・早期治療につながります。

岡本真夜さんが語った「チョコレートのう腫」闘病生活

突然の腹痛に襲われたのは3年前の夏。ズキズキとお腹に痛みを感じていたが、しばらく横になっていて痛みが治まったため、病院に行かずにそのまま様子をみました。しかしその数カ月後、今度は「床に倒れて、一歩も動けないほど」の激痛となり、病院へ。そこで「チョコレートのう腫」という言葉を初めて聞いた。

すでにのう腫は7センチまで肥大化しており、医師から「放っておくと癌化する可能性もある」と伝えられたため、2カ月後に手術を予定しました。

しかし手術日の2週間前に再びの激痛が真夜さんを襲い、「友人の肩に手を回して支えてもらわないと歩けないほどだった」とし、病院に到着し診察を受けている間も意識がもうろうとして「“痛い痛い”を何百回も言っていたらしいです。3、4時間は激痛でした」と告白しました。

翌日に緊急手術を行い、痛みの原因はのう腫の破裂によるものと判明した。手術から3年経過した今、再発の恐れもあり年に1回の検診は欠かせないといいます。「痛みがあったときにはすぐに病院に行くべき」とすぐに処置をしなかったことを後悔した真夜さん。「痛みに耐えることには強い方ですが、耐えられないくらいの痛みだった。2度と味わいたくない」と番組内で話していました。

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記事監修:薬剤師白石厚子

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